『契約』恋愛


「…別に俺、特に知ってるとかじゃねーよ。中学だって違うし。今のもただ、風の噂で聞いただけだし。俺、大げさに言っちまったけど、そんなに気にすることないんじゃね?」


なかなか答えなかった割に、何とも適当な答え。それに対して俺がよほど腑に落ちない顔をしていたのか、大志がさらに続ける。


「それにさ、今年度始まってからは一度も学校休んでねーし。見た限り元気だし。…ってかさ、もし気になるんだったら、直接本人に聞けばいいだろ?お前“一応”彼氏なんだし。」


“一応”か…。
その言葉に、思わず苦笑いがこぼれた。
でも確かに。
本人に聞くのが一番手っ取り早いのかもしれないな。