「それに…」
さっきよりも幾分小さくなった声。
よく聞こえるように耳を近づけ、大志の言葉に耳を傾けた。
「青木、中学の頃とか学校休みがちだったらしいんだ。今もよく体育は見学してるみたいだし?そんなひ弱な女に、天下の風春君が手を出す訳ないってみんな思ってんだよ。」
「…くっだらねぇ。」
俺をバカにしてるような笑みを浮かべて話し終えた大志に、俺は一言そう言い放つ。
ホントにマジでくだらねぇし。
…っていうかそれより。
大志が放った言葉の方が気にかかる。
今考えてみれば俺、青木のこと何にも知らねーじゃん。今の話だって初耳だ。

