でも。 その理由は、佐山君に話すべきことじゃない。話す必要も無い。私だけが理解してればいい。 「さあね。」 これが、今の私にとって無難な答え。 まるっきりしたことがないっていったら、嘘になると思うし。 「そっか。ま、いいや。んじゃ、そろそろ教室戻ろうぜ?」 「うん。」 こんな風に、あまりお互いに深いところをつかないつき合い方…。カタチだけの彼氏、彼女…。私のしたい恋のカタチではないけど、これはこれで、私にとって楽でいい。 弁当の包みを片手に、私たちは屋上をあとにした。