『契約』恋愛


キラリと光るペアリングを見つめ、自然と上がる口角。

短い期間だったけど、確かに雪乃との日々は“存在”したんだ。それは間違いのない事実。

雪乃は“永遠なんてない”と、“永遠の現在なんてつまらない”と、俺に言った。

…――でもさ、俺にとって。

雪乃と過ごした日々は“永遠”で、確かに“ホンモノ”の恋だったんだよ。

だからせめて、素直に。


「雪乃が、好きだよ。」


そう、直接想いを込めて、
もう一度だけ、伝えたかった。

でももう、それは永遠に叶わないから。
俺はこう、雪乃の墓前に囁こう。


「雪乃を、愛してた。」


最後の愛言葉を、
青い空のキミに――…





【 END / Thank you. 】