「…あ。これ…。」
ふともらされた言葉に、視線を雪乃に向ける。その瞳の先にあったのは、ショーケースに飾られているムーンストーンがついたペアリング。
女物がちょっと凝ったデザインのリングの中心にムーンストーンが埋められていて、男物はシンプルなリングに小さいムーンストーンが埋められているものだった。
「何、これが気に入ったのか?」
「え? あぁ、うん。可愛いなって思ったの。」
雪乃の言葉を聞きながら、もう一度展示されているそのリングに視線を向ければ、リングの横に何か説明が書いてある。
“ムーンストーンの石言葉:2人の愛の道先案内”
その言葉に思わず雪乃を見れば、絡んだ視線に恥ずかしそうにほほえんでいて。
「…よろしかったら、お出ししましょうか?」
タイミング良く寄ってきた店員に、俺と雪乃は顔を見合わせると、ぎこちなく頷いた。

