「何してるの?早く入るよ。
…あ、もしかして風春、本当はこの店来るのイヤだった?」
無意識にうつむいた俺の手を引き、俺の表情を窺うように雪乃が問いかけてくる。
見当違いの問いに、雪乃の体調を考えてたなんて言えるはずもなく、俺は自嘲的な笑みをこぼした。
「そんなことねーよ。早く行くぞ。」
「うん!」
そして雪乃に引かれるまま、店内に入る。
「いらっしゃいませ。」
流行りのBGMが程良くかかり、少しケバい若い店員のやけに高い声が響いた店内。
アクセサリーやキーホルダーといった、きらきら光る小物が所狭しと並べられ、それぞれが自分の存在を主張していて。
隣の雪乃を見れば、これまた瞳をきらきらさせて、楽しそうに商品を眺めていた。

