『契約』恋愛


「そこに、行ってみたい。…っていうか行きたい。」


俺の反応を窺いながらもハッキリと紡がれた言葉に、思わず笑みが漏れて。


「りょーかい。じゃ、行くか。」

「やったー!」


立ち上がって手を差し出せば、雪乃はその手を取って嬉しそうに笑う。

思いのほか冷たかった手に内心ドキリとしながらも、ぬくもりが届くようにと、ぎゅっと握って次の目的地に足を向けた。

すれ違う子供たち、次の命に向かって散っていく木の葉、色づいて愛でられながらも次第に朽ちていく紅葉…。

こんなにも変わっていくことはたくさんあるのに、何事もなかったように過ぎていく時間が、途方もなく恨めしかった。