『契約』恋愛


「…あったかいやつっと…」


雪乃にココア、自分にコーヒーを買い、雪乃の待つベンチに戻る。


「ほら、持つだけでもあったかいぜ。」

「あ、ありがとー。」


差し出したココアを笑顔で受け取ったのを見て、俺も再び腰を下ろした。


「あー、あったまるー…。」


缶を両手で包むようにして暖まる雪乃を横目に、俺はコーヒーに口付ける。

そして目線を前方から逸らすことなく、ゆっくりと口を開いた。


「…無理すんなよな。」

「あれ。バレてた?」

「ったりまえだろ。バーカ。」

「あはは、ごめん。でもバカはひどい。」


そう言って、軽く肩を叩かれたのと同時に、また小さく風が吹きぬける。