『契約』恋愛


「ふ〜ん。」


私がよっぽど嫌悪感を露わにしてしまったのか、佐山君はそれ以上踏み込んでこなかった。

まぁ、彼にしたら所詮私は遊び。
深く知る必要なんてないのだろうけど。


「そういえば佐山君…。」

「てか、いつまで名字に君付けなんだよ? 名前でいいって言ってんのに。」


ふと気になったことを尋ねようとすると、不満げな佐山君の声に遮られた。

でも、そんなこと言われても。
まだそれほど親しいワケじゃないし。
元々、話したことなどほとんど無かったし。

それにどうせ、一ヶ月で終わるであろう関係じゃない。