それでも。
「離して。私から離れて。」
口から出るのは、精一杯の強がり。
そんな私を見かねてか、私を抱きしめる風春の手にぎゅっと力がこもる。
「もう、偽らなくてもいい。嘘なんて、つかなくてもいい。
だから…、独りで苦しむな。」
そう、そっとつぶやかれた一言に、うつむきかけていた顔を上げた。同時に体が離れ、目の前には哀しげにも見える風春の顔…。
その表情で、私は確信した。
風春はもう、す べ て を 知 っ て し ま っ て い る と…。
おそらく、凛あたりが話したんだろう。だからこそここに、風春を連れてきたんだ。
一番知られたくなかったのに。
今まで隠し通してきたのに…。
隆介の時と同じく、私はまた拒否られるの?
嫌われたかったくせに、風春に拒否られるのを恐れる矛盾した自分を、心の底から嫌悪した。

