後悔しないとか、素直になるとか、自分に嘘つかないとか、今の私にそんなことは重要じゃない。
それに、すべて話して拒否されて傷つくより、自ら嫌われて傷ついた方がよっぽどいい。
だから――…
「もう、いいでしょ?早く出て行ってよ。そしてもう、ここには絶対に来ないで。」
しだいに熱くなる瞳、たまっていく涙。
この涙がこぼれ落ちる前に、私の前からいなくなって。風春に涙は、見せられない。
「……勝手なこと、1人で言ってんじゃねーよ。」
うつむく私に聞こえてきた、不機嫌そうな声…。それと同時に、優しい温もりに包まれた。抱きしめられたと理解するまで、時間にして二秒程。ふわりと鼻腔に広がる、懐かしい匂いにハッとする。
「な、に…してんの、よ…」
たえられず流れた涙に、震える声に、抱きしめられた体を押し返すことなんてできなかった。

