トントンと、再び響くノック音。
こぼれ落ちそうな涙を左手の甲で拭い、軽く息を整える。
「………どうぞ。」
ゆっくり開くドア、同時に絡む視線。
踏み出された一歩に、ドアが閉まる音が重なる。
「…3日ぶり、だな。雪乃。」
一瞬、時間が止まった気がした。
たった数秒なのに、とてつもなく永く感じられる時間…
「今日は雪乃の口から、“真実”を聞きに来たんだ。」
そう言って微笑み、私の名前を優しい声で呼ぶ彼は、あの日と何にも変わってない。
まるで何にもなかったかのように、
まだ私達の関係は続いているかのように、
あの日のままの風春。
もう会わないと、会えないと思っていたのに、覚悟していたのに…。風春は今、ここにいる。
嬉しいと思う反面、揺らぎそうになる気持ちに心の中で喝を入れた。

