「そんな言い方ってない…。
治らない、なんて言って、生きる希望を捨ててどうするの?
雪乃自身が自分を信じないで、誰が雪乃を信じるの?」
しだいに潤んでいく凛の瞳に、何も言い返すことなんてできなくて。
自分の失言に、ただ唇を噛みしめる。
「それに…。雪乃はもう、独りで戦う必要なんてないでしょ。独りなんかじゃ、ない。」
何を言っているんだろう、凛は。
私はいつだって、これからも、独りで戦わなければいけないのに…
凛が言い放った理解しがたい言葉に、うつむきかけていた顔を上げた。
「…今日は雪乃に、どうしても会いたいっていう人を連れてきたんだ。」
「私に、会いたい人…?」
ドクンと小さく胸が鳴る。
そんなはずないし、期待する権利も私にはないのに――…
「そう。…だからゆっくり、話して。
後悔しないように、自分に嘘をつかないで。本当のことを、伝えなよね。」
切実に訴えるようにそれだけ言い残し、凛は静かに病室を出ていった。

