『契約』恋愛


オレンジの空を見つめながら、小さく息を吐いて口を開く。


「何も、ある訳ないでしょ。
最近の風春はいつも、私のことを一番に考えてくれてるしね。」


それによって風春の気持ちが、
私と同じであろう感情が、
痛いほど伝わってくるんだもん。

もし私が健全な身体だったら…

明日がヒカリに満ちあふれていたら…

そう、叶わぬ願いを何度心に唱えただろう?
そのたびに漏れる苦笑が、哀しく、虚しく、自身を支配するだけだってのに…


「…風春、色んな噂あるじゃん?
でもホントはね――…
実際の風春は、たとえ短い期間でも1人1人にちゃんと向き合ってくれる、いい人なんだよ。」


どうしようもない、伝えられない想いの代わりに、ただ、許される範囲での本音だけがこぼれた。