『契約』恋愛


「雪乃…?」

「え?」


眉間にしわを寄せ、不思議そうに私の顔をのぞき込んでくる凛を見て、自分がキツく唇を噛みしめていたことに気がついた。

どんなに頭で理解しようとしても、固く決意したものを拒む気持ちは無意識のうちに表現されていて。

無意識って怖いよ。
弱い自分を隠すことができなくて、怖い。


「…佐山君と、何かあった?」


どうせ、凛にさえも偽らなければいけないのだ。

だから真剣に、まっすぐ私に向けられている瞳に、やっぱり目なんて合わせることはできなくて。

目をそらしたことがバレないように、窓越しの空に視線を投げた。