大事なことになるほど、言葉はうまく表現されない。情けねぇ…。そんな自分に嫌気が差して、ぎりっと奥歯を噛みしめ、拳を握りしめた。
「…さぁて。そろそろ私は教室戻ろうかな。今日日焼け止め塗り忘れたから、このままだったら日焼けしちゃう。」
ゆっくりと立ち上がり、雪乃はそう言って出口に歩み出す。
不安
違和感
たくさん感じることはあるのに、やっぱり何一つ言葉にできなくて。
「あ、風春。」
何かを思い出したように、不意に振り向いた雪乃。
何事かと思って耳を傾ければ、
「私、例えどんなカタチであっても、風春とつき合えてよかったよ。」
楽しそうに、嬉しそうに、笑顔で紡がれた言葉に、ぎゅっと胸が締め付けられた。

