『契約』恋愛


時折グランドから聞こえてくる、生徒や先生たちの声。それを聞いていると、今は授業中なんだよな、なんて他人事のように思えてきて。

サボり過ぎを自分でも自覚してる俺は、出席時数足りんのかなとか、少し不安になってみたりもして。

ってか、雪乃もヤバくね?
だいたい俺と同じくらいサボってる気がすんだけど…


「てか雪乃、俺なんか探してて授業いいのか?」

「ん〜?四時間目は体育だし、別にいいや。」

「…そ。」


体育、か…
そういや雪乃は体育はいつも見学してんだっけ。前にそんな話したよな。

会話がとぎれ、俺たちの間に沈黙が流れる。でも決して居心地が悪い訳じゃない、むしろ心地良いくらいの沈黙。頭上ではゆっくりと、白い雲が流れていて。


「…もうすぐ、『契約』終わるね。」


その沈黙を破ったのは、雪乃がつぶやいたそんな一言だった。