そして漂う沈黙…
電話での沈黙は、本当に為す術がない。
電話の向こうで、風春はどんな顔をしているんだろう?
得体の知れない不安が私を襲う。
何に対してかはわからないのに、モヤモヤとした気持ちが胸に広がる。 ズキッとまた強く、頭が痛んだ。
『…………なぁ、雪乃。』
そんな中、先に口を開いたのは風春で。
沈黙を破るように発された言葉に、私は耳を傾ける。
『俺に、何か隠してないか?
俺は何か、大切なことを知らないんじゃないか?』
真っ直ぐとぶつけられた問いに、ビクッと肩が揺れたのが自分でもわかった。
――でも。
何でそこにたどり着く?
何で自ら、闇に踏み込もうとする?
私は風春に、知ってほしくはないんだよ。
動揺を隠しきれず、携帯を持つ手が小刻みに揺れた。

