“今まで、誰ともつき合ったことねぇの?”
そう問えば。
“あるよ、中学二年のとき一人だけ…。”
何かを思い出すように、
悲しみを耐えるように、
ゆっくりとそう答えた。
あまり追求しないでほしい、雪乃のそんな気持ちが伝わってきたから、それ以上聞くのはやめたんだっけ。
そのときはまだ、雪乃にこんな気持ちを抱くなんて思ってなかったし…。
“本気の恋って、したことある?”
そう、俺自身の素朴な疑問をぶつけてみれば。
“さあね。”
返ってきたのは、あるともないとも言えない曖昧な答え。
この答えからじゃ、何の想いも汲み取れない。ただ何か秘められてる、そう感じただけ…。

