ホントに、漠然とした嫌な感じ。
そんなに重大なことでもないと思うけど、こういう勘は当たるから恐ろしい。
「…うわ〜。なんか夜、雨降りそう。」
突然発された雪乃の言葉で思考は中断した。隣を見れば、数分前の俺と同じように雪乃が空を見上げていて。
「私、雨嫌いなのにな〜。」なんて呟く雪乃を見て、さっきの嫌な予感も自然と薄れていくような感じがした。
「何で雨嫌いなんだよ?」
ふっと笑みをこぼして尋ねれば。
「ん?何でかって聞かれても…。何となく、かな。 ま、あえて言うなら、全てにおいての気力が無くなる感じがして嫌。」
「ふ〜ん。」
眉間にしわを寄せて答える雪乃。どんだけ嫌がってんだ、とか心の中でつっこみつつ、なんか微妙に共感してしまった。

