「みんなが佐山君みたいだと思ってたら、大間違いだよ。だいたい、恋愛の仕方は自由だけど、女の子の気持ちを弄ぶな!ま、あたしには、女たらしを好んで彼氏にする趣味はないけど。」
そう言い放ち、青木はフェンス際に腰掛けた。
ってか、言いたい放題だな。
ま、その通りなんだろうから反論はしねぇよ。
でも何故か。
俺にこんな説教まがいのものをくらわす青木が、本人を目の前にして全面否定してくる青木が、何となく気になってしまった。
好きとかそーいう気になり方ではなくて、ただ純粋に。今まで俺にそんな風に言ってくる女なんていなかったし、自慢じゃねぇけど、俺に興味を持たない女なんていなかったから。
「なぁ青木。」
そう呼びかけ、未だ怒っている青木の横に俺も腰掛けた。

