『契約』恋愛


でも。
もう遅い、すべては手遅れ。

この気持ちに気づく前に、俺の軽薄な行動でこの関係を終わらせてしまった。

雪乃を傷つけて、少なくてもあと二週間は続いたであろう関係を壊したのは、他でもない俺自身。

ただ、後悔だけが押し寄せる。

雪乃との関係以外、いつもと変わらない放課後、みんな各々の目的地へと向かい、静かになった教室。一人ぽつんと残っていた俺は、自分の机に突っ伏しながら大きなため息をついた。


「……かーざはる〜。 なーにシケたツラしてんだよ?」


そんなとき、不意にかけられた大きな声。
驚いて顔を上げれば、不思議そうに俺を見下ろす大志が目の前に立っていて。