『契約』恋愛


「…そっか。ごめんね、風春。」


それだけ言い残し、屋上を去っていく玲奈。よかった、ようやく解放された…。


「青木、助かった。サンキューな!」


開放感でテンションが上がる俺とは逆に、隣の青木は未だ呆然としたまま…。
右手で自分の唇に触れたまま、微動だにしない。


「青木?」

「…………〜っ!っていうか、いきなり何すんの!?確かに恋したいとか思うときあるけど、他人にいきなりキスされるとかありえない!」


不審に思って顔を覗き込めば、真っ赤な顔していきなりまくし立て始める青木。
…でも悪ぃけど、ハッキリ言って何言ってんのかさっぱりわかんねーし。かろうじて聞こえたのは“恋したいとか思うときあるけど”ってとこだけなんだけど。