中二のあの日から、私はもう一生恋なんてしないと思ってた。
いつ消えるかわからない自分の命、それを相手に背負わせたくなくて。
見えない未来と私を恐れて、大切な人が遠ざかっていくのがツラくて。
本気で誰かを“好き”になることを恐れ、傷つくことを遠ざけて、ただ独り寂しさを抱え込んでいたのかもしれない。
それなのに今、私は。
「風春が好き。」
そう呟いてみる言葉、それはもはや、疑いようのない事実になってしまった。
変わってしまった自分の心に戸惑い、ぎゅっと制服のスカートを握りしめる。
ただ悲しさだけが、私を満たした。

