『契約』恋愛


無我夢中のうちに、どれくらい走ってきたのだろう?
目の前には見慣れない公園、見慣れない建物。

加えて私の状況といえば、だいぶ呼吸が乱れ、肩で息をする始末。
久しぶりに走ったからヒドくなったのであろうめまいに襲われ、クラッと視界が揺れる。

治まらない呼吸を整えるためにも、おぼつかない足取りでその公園に足を踏み入れた。

さすがに平日の真っ昼間だけあり、園内には誰もいない。脇の方にあるベンチに腰を下ろすと、大きく息を吸い込む。

そしてふと、頭上に広がる空を見上げた。いつもと変わらない、青が広がる空。それに比べて今の私の心は、何かが変わり始めている、そんな気がした。