「さて、掃除始めるか。」 小部屋に着いてそう言ったのは北条先生である。 だが、その北条先生の声にも力は感じられなかった。 そりゃそうだろう。 小部屋の退廃さと言ったら噂通りであり、少なくともあたしの想像を遥かに超えていた。 まず埃で床が見えないっていう非常事態が発生していた。 机だって埃色に変色している。 もっと言うなら教室事態が灰色だった。 そんな所を今から掃除するのだと思うと、身震いがした。 これなら戸田と一緒に炎天下の中の庭掃除の方がマシかもしれない。