それから長い長い始業式が始まったのは言うでもない。
あたしは軽い欠伸を幾度も幾度も繰り返し、時がすぎるのを待った。
全く、何で始業式という無駄な行事があるのだろうか?
その長い始業式もとうとう終わり、あたし達は教室に戻る。
始業式から解放され、生徒は皆自由そのものである。
あたしも未来と教室に戻っていた。
「長かったねぇ。」
「あたし数えられないくらい欠伸しちゃ…」
え?
「妃奈?」
…
「妃奈!」
「へ?あ、ご免。」
「どうしたの?」
「ううん。何でもない。」
あり得ないあり得ない。
いるわけないよね?
うん、いるわけない。
きっとちょっと似てる人だ。
あたしはそう言い聞かせながら教室まで行った。



