元カレ教師



「ご免。」


北条先生は短く謝った。


本当にすまなさそうだった。


「もういいですよ。
今日で最後ですし。」


「なぁ…滝沢、
確かに俺は4月にお前に、俺は滝沢の先生だって言った。
だけど、もう俺は皆の先生じゃなくなる。」


…そんなの。


残酷な隙間が出来た。


あたしはそう思った。


彼がどう思ってるかなんて…知らないけど。


「意味分かんないです。」


「滝沢、」


「北条先生は、あたし達の先生です。
ずっとずっと。
あたし達の高校2年の英語の先生は北条先生です。」


だから好きだけど嫌いなんだよ?