「探してるのこれ?」 あたしは顔を上げた。 「北条先生…」 ドアの前には、あたしの数学のノートを持って立っている1人の男がいた。 彼はこちらに近寄ってくる。 … なぜか身構える自分がいた。 会いに行くつもりだったのに。 「はい。」 北条先生はあたしにノートを手渡した。 「教室に置いてかれた荷物は全部担任もしくは担任の代理が預かる事って言われてたから。」 「あ、そうだったんですか。 ありがとうございます。」 あたしはノートを鞄にしまった。