それからあたしは、一旦教室に戻った。
理由は単純。
忘れ物をしたからだ。
廊下は本当に人気がなかった。
普段なら、まだ授業が行われている時間帯なだけに、淋しさを覚えた。
それに付け加え、こんな時間に廊下を歩いている自分がおかしかった。
それこそ、普段なら歩いているわけがない時間だ。
あたしは廊下の角を曲がって、教室の方に進む。
あたしは教室に入った。
やはり誰もいない。
あたしは自分の席に行き、机の中を覗いた。
あれ?
何にも入ってない。
あたしはもう一度鞄の中を見た。
やっぱり無い。
もう持って帰ったのかな?
それ以外ないか。
それでも納得出来ないあたしはもう一度机の中を見た。



