あたしは、案の定誰もいない図書室で静かに春休みの宿題に取り掛かった。
この日に誰か来るとは予想してなかったのだろう。
図書室の司書さんは、あたしが来た事にたいそう驚いた様子だった。
誰もいない図書室は、想像以上に集中する事が出来た。
然程難易度の高くない宿題を、あたしはすらすらと説く事が出来た。
だが、難易度というものは急に上がるらしい。
アルファベットの並ぶその問題に、あたしは壁を感じた。
分かんない。
英語の最後の問題。
最後だからってこんなに難しくしないでほしい。
あたしは答えを見た。
なんでこうなるかが理解出来ない。
嫌になった。
あたしは時計を見た。
もう3時間も経ってる。
…
もう、行こうかな。
あたしは最後の問題を未解決のまま荷物をまとめて、図書室を出ていった。



