元カレ教師



あたしは割と人通りの少ない廊下を通る。


流石に終業式の日に図書室に行く人はいないようだ。


角を曲がり、もうすぐ図書室に着く所だった。


「木下先生!」


「滝沢さん、」


あたしは木下先生と話したいと思った。


だからといって、何を話そうとか全く考えていない。


「今までありがとうございました。」


まずはお礼を言った。


「こちらこそ、ありがとう。」


木下先生はニコッと笑った。


「そうそう。
1つ聞きたい事があるんだけど、時間大丈夫?」


「あ、大丈夫です。
何ですか?」


「私と昴が付き合ってるって噂が流れてるって、本当?」


「え、えっと…」


そんな直球に言われても…


正直、返事に困る。


でも、今日で最後だし…


「本当です。」


あたしはおずおずと答えた。