あたしも好きだった。
このクラスが
…北条先生。
「卒業式は来れたら来るから。
皆の晴れ姿は絶対に見たいと思ってる。
…悪い。
喋りすぎた。
じゃあ、これで、終わります。」
北条先生がそう言って数秒経った。
「起立!」
ハッキリとした学級委員の声がした。
躊躇いが隠されたその声は凛々しく、皆すぐに立った。
「1年間、ありがとうございました!」
学級委員の子は言った。
“さようなら”じゃなくて
“ありがとうございました”と。
授業の終わりのようだ。
またその日の終礼で会えるみたいに。
「ありがとうございました!!」
打ち合わせ無しのサプライズ同然の本番。
それでもその声は揃っていた。



