「来年は、今年以上に忙しく、悩みが多い1年になると思う。
この学校は進学校だから、ほとんどの人が大学受験に向けて勉強すると思うし。
今は大学も本当に色んな特徴や学部があるから、皆が思っている以上に考える事が多いと思うんだ。」
淋しげな笑顔は何処へやら。
授業の時のように真剣な顔だ。
生徒も皆っ授業受けてるみたい。
「これは俺の意見で、こんな事言ったら他の先生に怒られるかもしれないけど…
学校の偏差値や名前に捕らわれずに、自分の興味がある事がめいっぱい出来るような学校にいってほしい。
その方が後悔も少ないだろうし、絶対に充実したキャンパスライフが送れるはずだ。
少なくとも、俺はそうやって大学を選んで、後悔なんてしてない。」
北条先生の言ってる事は、聞く人が聞いたら綺麗事だ。
こんなご時世だし、1つでもランクが高い大学に意味がある。
そんな風潮だ。
だが、彼の言っている事は綺麗事ではない。
事実だ。
「だから…苦しい1年になると思うが、頑張りぬいてほしい。
俺からは以上だ。
あ、最後に、」
北条先生は穏やかに言った。
「1年間ありがとう。
俺はこのクラスが大好きだ。」
彼は現在形で言った。
それも、断定で。



