元カレ教師



「あたしさ、北条先生のこと、好きになって良かった。」


「…」


反応の仕方に困った。


阿紗子が北条先生のことが好きだったの知ってる。


その恋が終わった事知ってる。


そして、今はあたしと北条先生を応援している。


…あたしは阿紗子に何と言うべきなのだろうか?


「北条先生に恋しなかったら、妃奈と、あと未来はあたしの中で、ただのクラスメートで終わってたもん。
こうやって一緒に教室帰ったり、初詣行ったりとか絶対してなかった。」


「阿紗子…。」


「みやびちゃんなんか、顔も知らなかったかも。」


「…みやびちゃんも同じような事言ってた。」


「嘘?
ねぇ、何時?」


「今日の朝。
みやびちゃんのクラス言って話してたんだけど、内容は全く同じだった。」


「だから朝教室にいなかったんだ。」


阿紗子は納得したように言った。


「それでね、」


「うん。」