元カレ教師



木下先生は北条先生にマイクを渡した。


北条先生は緊張気味な面持ちで前に立った。


体育館は一斉に静かになった。


その切り替えの早さは、その前に起きた感動を忘れさせる程だった。


北条先生は、まるで劇の役者のようだった。


今から起きる演説は、その中の長いセリフで、


今までの事も全部芝居だったのではないだろうか?


そう思ってしまった。


北条先生は口を開いた。


彼は木下先生のように呼びかけたりはしなかった。


ただ、セリフを読むように、その声を体育館中に響き渡らせた。