校長が柄にもない短い挨拶をした後、ざっと見て10名程の教師が舞台の上に並んだ。
申し訳ないが、あたしは2人しか見ていなかった。
客席から見て左の方に彼らはいた。
1番左に北条先生、その右に木下先生柄いた。
それから、どれくらい時が流れたかは分からない。
気付いた時には、最後から3番目の人が最後の礼をしていた。
あたしは真剣に舞台の上を見た。
木下先生は、色んな意味であたしと縁がある人だ。
間接的にも直接的にも
…
もしかしたら、出会うはずではなかったのかもしれない。
戸田が怪我しなかったら、本当に出会ってなかっただろう。
それなのに出会ったのは、何の悪戯であろうか?
出会って、昔の話を聞いて…



