あたしはいつもと違う電車に乗った。
電車は大分空いていた。
同じ制服を来た人は殆どおらず、遠くの学校の制服が多かった。
あたしはその人たちより先に電車を降りた。
あたしは改札を出た。
いつもは人通りの多い道も、殆ど人はいなかった。
早めに着いた教室にも人はいなかった。
静まり返る教室の空気は澄んでいて新鮮だった。
あたしは席に座り何の考えもなく教卓に目をやった。
誰もいないそこは、何だか淋しく思えた。
この前始業式があったばかりなのに。
あたしは子供の成長を見た大人のような事を思った。
過ぎ去ったこの一年間はとても速かったのだと実感した。



