元カレ教師



あたしは周りと同じように勉強し始めた。


この音の無い空間の中では、シャーペンのカチっていう音さえも、誇張されて聞こえた。


先程まで、騒がしかった教室にいたからなおさらだろう。


自分が鳴らしたその音で、あたしは静けさに罪悪感を覚えた。


それからは黙々とシャーペンを進めていった。


だが、脳はそれについていけなかった。





転勤か…


あたしはシャーペンを止めた。


本当なのだろうか


あたしは変に疑い始めた。


教室に広めた少女の話が正しいだろうか?


虚偽の噂が広まるというよくある話かもしれない。


あたしは時計を見た。


そろそろ暗くなり始める時間だ。


あたしは吸い寄せられるように席を立ち、荷物をまてめた。