「2人とも寒いでしょ?
あんな所に一晩中いて。」


木下先生は職員室で温かいコーヒーをいれてくれた。


「どうぞ。」


「ありがとうございます。」


「ありがとう。」


あたし達は個々にお礼を言って、コーヒーを口にした。


とても美味しかった。


温かさが冷え切っている体の中心に浸み渡っていく。





あたしにジャケットを貸してくれてた北条先生は、もっと寒かったんだろうな。


あ!


「ご免なさい!」


あたしは慌ててジャケットを北条先生に返した。


「別にいいのに。」


北条先生はそう言ってジャケットを受け取った。