「北条先生…」
あたしは暖かさの主の名を呼んだ。
「ご免な?
こんなに寒いのも気付かないで。」
北条先生は、あたしにかけてくれたジャケットを整えてくれた。
「ちょっ。
悪いです。
北条先生が寒くなるじゃないですか!」
「俺は平気だ。
心配するな。」
「でも!」
「女の子は体冷やしちゃダメなんだぞ。」
な?と言って、北条先生は微笑んだ。
暗闇に目が慣れてしまったあたしの目には、その顔がはっきりと見えた。
その近い距離も。
自分の心臓の音も。
あたしは自分の顔が急に熱っぽくなるのを感じた。
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