「ありがとうございました。」 「どういたしまして。 もう暗いから、気をつけて帰れよ。」 北条先生はそう言って、倉庫のドアに手をかけた。 なのに、ドアの隙間から光は差し込まない。 「北条先生?」 「…」 「北条先生?」 「なぁ滝沢、今ケータイ持ってるか?」 「ケータイ? 教室にはありますけど、今はないです。 どうしてですか?」 「鍵、閉められた。」 … … え? 「つまり…」 「明日の朝まで開かない。」