「あ、北条先生。」


「何やってるんだ?」


言いながら近付いてくる北条先生にあたしは答えた。



「体育の後片付けです。」


「あ、そうか!
今日の最後の授業は体育だったな!」


自分のクラスの時間割は完璧に覚えている北条先生は、納得したように言った。


あたしはただ、そうですと答えた。


「木下先生も休みだし、滝沢も大変だな。」


「そうですよ。
おかげで全部1人でやってるんですから。」


「仕方ないなぁ。」


そう言って北条先生は、あたしから荷物を奪い取った。


「持っていってやるよ。」


北条先生はスタスタと歩き出した。