「そうだけど。」


北条先生の言ってる事は間違っていない。


あたしもそう思った。


だけど…


「これやるよ。」


北条先生はあたしに1枚の小さな紙を渡した。


「…御神籤?」


「オレも引いてさ。
だから…幸せのお裾分けだ。」


中を開くと、「大吉」と書いてあった。


「滝沢にやるよ。」


「でもこれ、先生が引いた御神籤じゃ、」


「いいんだ。」


北条先生はあたしの言葉を遮った。


「滝沢持っとけ。
大吉だぞ?
な?」


そう言って北条先生はニッて笑った。