阿紗子とみやびちゃんに連れられ、あたしは何故か北条先生の前に出された。
…正直、たった今恋籤で凶を引いたあたしが1番会いたくなかった人なのに
冷たい風があたしの背中にぶつかり、速く行け、と言っている。
「北条先生!」
まず最初に声をかけたのはみやびちゃんだった。
「如月!
あけましておめでとう。」
「あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い致します。」
やはりみやびちゃんは大和撫子であった。
完璧な美が追求されたその作法は、凡人には真似出来そうにない。
そう思ったのはあたしだけのようだ。
「先生~
あけましておめでとうございます!」
阿紗子も普通に新年の挨拶をした。
あたしだけが感覚がずれてるのではないかと思った。
「山野と…滝沢も一緒だったのか。
あけましておめでとう。」
「あけましておめでとうございます。」
一応あたしも挨拶した。



