「あ!」 いきなりみやびちゃんが叫びだした。 「どうしたの?」 「北条先生!!」 え? みやびちゃんの視線の先には、確かに北条先生がいた。 「本当だぁ!」 阿紗子も驚いている。 あたしはというと、瞠目していた。 混沌とした神社の中でも、彼の人目を惹く容姿はすぐに見つけられた。 「行こう、妃奈ちゃん!」 「え?」 行こう? 北条先生の元に? 「何ぼーっとしてるのよ、妃奈! 置いてくよ!」