元カレ教師



覚めない目を必死で見つめた。


開く瞬間を、この目に焼き付けたいと思った。


「…っ…」


あたしは目を見開いた。


今微かにみやびちゃんが動いた気がした。


「…みやびちゃん?」


「…」


返ってこない返事。


不安が募った。


気のせいだったのか。


諦めかけた。


だけど


「…ん…」


確かな反応があった。


「みやびちゃん!?
みやびちゃん!」


みやびちゃんのお母さんは必死で叫んだ。


こんなに近くにいるのに、遠くにいるような不安を感じたのだろう。


あたしもそうだった。


「みやびちゃん!」


みやびちゃんのお母さんに負けないくらいの声で叫んだ。