「妃奈さん!」
あたしに呼びかけたのは、みやびちゃんのお母さんだけだった。
「みやびちゃんは!?」
そこまで言ってあたしは気付いた。
回りにいる医者と看護師
まだ、目は覚ましていないようだ。
「みやびちゃんは、まだ目を覚ましていないの。」
みやびちゃんのお母さんのが、下に沈んでいく。
師走の冷たい空気が暖房のかかった病室に流れ込んだような気がした。
あたしはみやびちゃんの傍まで行って屈んだ。
「みやびちゃん…」
ご免ね
あたしのせいだよね
「お願いだから…」
今みやびちゃんに死んでほしいと言われたら死ぬ。
してほしい事なら何でもするから
「みやびちゃん。」



