「一緒にはいなかった。
あたしはたまたま現場に近くにいて、それで目撃しただけで。」
遠くから見た事件前後の記憶が蘇る。
あの時はパニックになっていて、必死だっただけだけど、今思い返すと…
「そうか。
よく頑張ったな。」
「え?」
「滝沢が呼んだんだろ?
救急車とか。」
「えっと…」
そういえばそうだっけ?
否、違う。
「呼んでくれたのは誰かは分からない。
何か救急車、救急車って叫んでた気はするけど。」
「そうだっんだ。」
北条先生は優しい眼差しであたしを見て、みやびちゃんにそれを向けた。
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