「…滝沢さんって、山野さんと仲良いよね?」


阿紗子?


「うん。
阿紗子はあたしの友達だよ。」


何?


阿紗子がどうかしたの?


「じゃあ、大丈夫だよな?」


大丈夫?


「何が?」


「…もしかして、知らない?」


「何の事?」


「長谷川さんが転校する事。」





え?


「何言ってんの?」


「知らなかった?
オレ、滝沢さんなら知ってると思ってたんだけど。」


「…嘘でしょ?」


「マジだよ。
まだ公にはしてないみたいだけど。
職員室で聞いたんだ。」


「嘘…」


外はオレンジと黒が混ざっていた。


夕日はもう見えなくなりそうだった。